「イノシシは、元畑だったところが荒らせなくなると、山際にある竹林を本格的に荒らしだしました。」

「なるほど。山際にある竹林は、渡辺さんがタケノコを食べないので、安全な餌場だったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。イノシシは、人間のいる危険なところのミミズは先に食べ、安全な餌場は将来のために残しておくのです。」

「驚きですね」

「僕が本当に驚いたのは、その後です。東側の茶ノ木の根元に設置しようと、孟宗竹を切り出しました。そして、孟宗竹の頭の部分や切り落とした枝を切ったところの周辺にまき散らしておきました。」

「孟宗竹の頭の部分や切り落とした枝がある所は、掘らないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そして、竹林の5分の1ほど孟宗竹を切ったとき、イノシシの気配が全くなくなってしまったのです。」

「竹林は5分の4ほど残っていたのに、荒らされなくなったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。イノシシは、僕がどこまでもやる性格だということと、強い陰の孟宗竹を自由に扱うということに気がつき、残された5分の4の竹林には将来性がないと判断したのだと推定しました。」

「イノシシは新たに子供が増えたときのことを考えて、将来性のある所へ行ってしまったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。うり坊が一人前のイノシシになるのに2年かかります。イノシシ算だと8匹のうり坊をかかえたとき、十分にミミズや食べ物がなければなりません。その展望がなかったので、僕の竹林はあきらめて、将来性のある場所に行ってしまったとしか思えませんでした。」

「そこまで考えることができるのであれば、イノシシの知力は、人間に勝るとも劣らずという気がします」と町会長。

「そうなんですよ。観点を変えれば、現代人の知力は、イノシシの知力と同程度まで低下してしまっているのです。」

「親子の経絡の連動で、現代人の知力は、そこまで低下したということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。現代人の知力が恐ろしいほど低下しているのに気がついて、親子の経絡の連動性で人類は滅びるのかも知れないと考えていたとき、WHOが『新型コロナウイルスが世界に及ぼすリスクは中程度』と発表したのです。」

「その翌日から、肺の機能を上げるために、サーブを100本連続で入れる練習を開始したのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。今回の新型コロナウイルスは、SARSやMERSと違って、症状が軽く、亡くなる人は高齢者や病気を抱えた人だと言われていました。新聞のウェブページを見ても、インフルエンザと同じように、飛沫感染や接触感染だから、マスクをして手洗いをきちっとすれば防げると書いてありました。」

「確かに、最初はそういう感じでしたね」と町会長。

「僕は息子に、『インフルエンザと同じように飛沫感染や接触感染で広がるのであれば、防げるはずがない。インフルエンザは今でも流行しているではないか』と言ったら、『確かにそうだ』と納得しました。」

「確かに、インフルエンザの流行を止めることはできませんね」と町会長。

2020/2/11


<筆者の一言>
試しに聴音棒を購入して、蛇口に当て水漏れ箇所を特定しようと試みたが、聞こえるのは雑音だけだった。それで高感度の聴音棒を自作して蛇口に当ててみたが、ひどいノイズが聞えるだけだった。そこで聴音棒を蛇口に固定できるように作り直した。僕が作ったのは、聴音棒と言っても10センチぐらいの大きさの物なので、固定装置をつけるのは簡単だった。固定装置で蛇口に取り付けると、ひどいノイズは聞えなくなった。

ちょうどその頃、スーパー東大系の保険屋さんが来たので、水漏れの話をすると、保険屋さんも最近水道の水漏れに気がついたので、業者に頼んで修理をしたと言った。『水漏れ箇所が分からなかったので、家の中だと調べるのが大変だと思っていたが、業者が聴音棒を使って調べると立水栓のところで水が漏れているのが分かり、思ったより簡単に修理ができてラッキーだった』と言った。

『業者を紹介しましょうか』と言わなかったので、『引っかかったんだ』と思ったが、気の毒で言葉にすることも、水漏れについて話を続けることもできなかった。しかし、保険屋さんは顔が広いので、気心が知れた業者に頼んだのは間違いないと推測している。<続く>

2023/1/10